エアコンの壁穴開けで大惨事になるところでした。

某ハウスメーカーの新築物件でエアコン取付を頼まれました。

 

ハウスメーカーは独自の規格による特殊構造や材質で

製品価値を高めている場合があります。

その場合、開口する場所によっては構造材があって貫通できなかったり

耐力壁(壁材が耐震構造を兼ねるなど)が痛んでしまったり

気密が破れ断熱性能が減退したりで

せっかくの建物が台無しになることがあります。

(損害賠償や下手をすると建て直しになることもあったとか・・・怖!

なので建築中に計画的にエアコン用貫通穴(スリーブ)を施工しておくのが

当たり前になっています。

エアコン取付工事も(手慣れた)指定業者が取付することが多いのです。

 

今回は何か理由があったようでエアコン取付(のみ)を御客様から弊社に

直接御依頼いただけました。

(ちなみにスリーブは入っていません)

そのため、後でトラブルにならないようハウスメーカーの監督さんに

お願いして開口しても問題無い位置を印していただきます。

(赤い所、実際には4mmほどの小さいドリル穴でした)

部屋の間取り的に?な位置ですが仕方ありません。

印の穴をコアドリルのセンター(10mm)で開け直し。

裏に電線や水道管があったら困るので内部を針金で探って確認します。

いよいよ65mmのコアドリルで開口開始。

まずはプラスターボードを開口、そしてAC下地のコンパネを開口。

ここで壁内の様子を覗くと、

「・・うお!!。」

下地の内、穴の中央には電線がドンピシャ。

「マジすか・・・」

しかも色と太さからして電灯の幹線。

(幹線とは支持点から電気メーター、分電盤に向かう大元の電線です。)

穴の芯の位置で外装が破れ、絶縁体に傷がついてはいますが

ギリギリ芯線(電気の流れる銅の部分)は無事なようです。

 

監督さんに連絡を取ってもらい、担当の電気屋さんに

状況を確認してもらうことになりました。

今日はエアコン取付無理かなあーと思っていたら1時間ほどで到着。

目視点検で「大丈夫ですな」とテープ巻して終了。

(自己融着テープといって厚みのある絶縁用の特殊テープです。)

入れ替わりに監督さんも見えて状況確認。

作業継続の承認をもらいました。

 

指示されたとおりで自分のせいでないとはいえ

大事にならずに済んだのでほっとしました。

なにより御客様にとって良かったです。

やっとエアコン取付作業にもどれる、ヤレヤレ。

(念には念を入れて冷媒管を通す際に幹線を巻き込まないよう

絶縁電線IVで細工をしておきました)

無事に取付終了しました。

ありがとうございました。

 

追記:

さて、

「針金で探ったのに何で気が付かないの?」

と思われる方もみえるかもしれませんが

小さくあけた先行穴(予行練習みたいな穴です)から

針金を刺し込むのでドンピシャでないと意外と電線に当たらず

電線の電線の間でもすり抜けてしまうことがあるのです。

更には、監督さんから指示された位置だったので

「まさか」

という油断があったのも確かです。

反省ですね。

 

追記2:

後で写真を眺めていて気がついたことがあります。

電線の傷ですが穴の中心についてました。

弊社の工具ではこの傷はつきにくい。

と言うのも弊社のコアドリルは長年使ってくたびれているので

センタードリルはとうにナマクラ。

例え芯刃が当たったとしてもここまで鋭い傷はつきません。

(というかつけれない・・・)

 

当然外周を切削するホールソー部分の傷ではありません。

ということは監督さんが開口位置を指示するために

4mmほどの極細のキリで壁に穴を開けた、その時に

下地の裏にある電線を気づかず傷つけたのではないか・・。

だとしたら何だかなあです。

 

最後まで御読みいただきいありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 



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