灯油ボイラが動かない、と言われても・・・。

飛び込みのお客様です。

「小さな温室があるのだけれどいろいろ電気が使えなくて困る

診てもらえる?。」

「とりあえず伺いましょう。」

妙齢で品のある御婦人。

豪邸の御庭の片隅で6畳?ほどのガラス温室に案内されました。

開口一番、

「まず暖房が効かないの。」

「えっ?。」

「機械とか電気とか設置して面倒見てくれていた

園芸屋さんが辞めてしまって。

使えなくなってもどこに頼んでいいかわからないから

そのままおいてあったの。」

見た所、灯油ボイラを使った床暖房のようなシステムで

温室内を暖める仕組みのようです。

(ホントは電気屋さんの仕事じゃないんですけど・・・)

「ちなみにどのくらいの期間おいてあったでしょうか。」

「うーーん、・・・10年位?。」

「・・・。」

10年も放置されていたのではタンクも燃焼装置もダメだろうな・・・。

しかも灯油管が潰れかけてたり配線が土に埋まってたりとか

何だかなあの状態です。

タンクの中の液体は透き通っていますしダメ元でスイッチオン・・・、

反応なし。

さらに電源コードを抜いてリセットを試みると

ランプ点滅して火が入りました。

「おお、動いた。」

しかし温度調節のためリモコンを操作すると停止してしまい

そのまま元の状態へ。

 

幸い銘板が残っていたのでメーカーに問い合わせてみます。

「・・・25年(?)ほど前の機種ですね。

部品が無く修理もできないので諦めていただくしか。」

「先程動いたんですが。」と様子を詳しく説明すると、

「ああそれなら・・・」と状況とリセットを教えてくれました。

「仕組みが単純なんで今でも現役で使われているお客様が結構みえるんです。

動くうちは活用していただけると会社としてはとっても嬉しいです。」

蓋を開けて中の基盤でリセット。

リモコンを触ると止まってしまうのでリモコンはONの状態で操作禁止。

電源の入り切り、つまりコードの抜き差しで作動するルールとしました。

「ありがとう。

蘭を育てるのに気温が低いと育たなくて困ってたのよ。

なんとか使ってみるわ。」

でもサーモが壊れてリモコン操作もできず、室温調整不能で

どこまで使えるんだろう?。

まあ、お客様が承知してみえて喜んでもらえたので良かったです。

ほかにも延長コードで点灯する裸電球とか機械式のタイマースイッチとか

整理と処分。

ある程度安全を確保したようなしないような・・・。

御依頼ありがとうございました。



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