ホイストクレーンの修理を頼まれましたが・・・

得意先からの依頼です。

「ホイストクレーンが動かなくなった。

前と同じ部品とってあるから交換してもらえる?」

トロリーダクトという電気を通すレールに接触する部分、

集電アームと言う部品が劣化して電気が流れなくなったので

交換したいという訳です。

アームs

(水色の枠内の部品一式が集電アーム1本になります)

同じ物をまんま取替えるだけなので高所作業車を使えば楽勝、と思いきや

交換して試運転しても動きません。

 

正確に言えば西向きしか動かなかったり上下は両方駄目だったりです。

お客様「・・・・(何かポカやったのか?と言う目)」

弊社「(冷や汗、、)少し時間ください、すぐ確認します!。」

眼下では修理待ちで従業員さんが何人か腕組みしてこちらを

見上げておられます。

 

集電アームはキチンと取付されていて接触不良とかもなさそうです。

となると集電アーム以外の部分で何か不具合でしょうか。

 

配線を調べていくと集電アームのリード線とホイストの

主電源ケーブルとの接続部分、絶縁スリーブの箇所で断線していました。

緑矢印の先で断線)

DSCN2390s

(絶縁キャップの中で切れていたので短絡ショートや漏電せずに済んだようです)

上下は当然三相モーターなのですが東西の移動は単相モーターなのかな?。

 

絶縁スリーブを切り離してリングスリーブと絶縁テープ巻で再接続。

試運転してもらうと無事に動くようになりました。

お客様「助かったよ!。ありがとう!!」

と言っていただけたので嬉しかったです。

 

切り離した絶縁スリーブを持ちかえぅて明るいところでよくよく見てみると

圧着工具のカシメ跡がスリーブの金属部分を逸れて芯線を挟んでいたように見えます。

 

切り離したスリーブ。

DSCN2396

 本来なら2本ずつ電線が接続されているはずが1本しか残っていない。

絶縁キャップも破れています。(ピンクの矢印のところ)

DSCN2399sa

この絶縁スリーブは正式名称は「絶縁被覆付閉端接続子CEタイプ」といい

「リングスリーブ用圧着工具」ではなく「CEタイプ用圧縮工具」でカシメるのが本来です。

 

しかし今回の2ヶ所では微かに刻印の(中)が見えたので不適正な工具と位置で

施工したことで断線したのかもしれません。

 DSCN2399sc

リングスリーブ用の工具で施工しても一応圧着はできるのですが

本来は黄緑のマルの位置で圧縮するはず・・・。

ヤレヤレです。

 

 

ビフォー

DSCN2390

アフター

 DSCN2391

 ちょっと嫌な汗をかいてしまいましたが無事に動くようになって

面目躍如といった所です。

御依頼ありがとうございました。

 

 

 

 



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