パイプ吊蛍光灯・列の一部が不点灯

得意先の古い工場です。

パイプ吊の蛍光灯が15台ずつ5列、列単位でブレーカで入り切りしています。

そのうち1列の奥5台ほどが突然点かなくなり、

修理を依頼されました。

1列が送り配線で数珠繋ぎに接続されているののなら

点灯10台・不点灯5台の境界で何らかの異常があったと考えるのが自然です。

とりあえず境界、10台目と11台目の照明器具を開けてみます。

安定器を見ると1959年製!。

筆者より先輩です。

すげー。よく現役で動いているなあ。

 

さて、照明器具内部での送り配線はありませんでした。

天井裏で結線されていたらお手上げですがダメ元で

パイプ吊のベースを開けてみるとなんとカップ?の内部で結線されています。

しかも2系統?。

 

結線状況を確認しようと単線を恐る恐る動かすと

電線同士を結線しているねじ込みコネクタの絶縁シース?部分が

劣化してボロボロ崩れてきます。

薄緑のキャップのような物が絶縁シース、

手前の銀色のコイルのような物が

シースが崩れて剥きだしになってしまった結線部。

(電気流れてます・・・)

「あっちゃー・・・。」

アウトレットBOXはなく鉄の配管が天井裏から表面まで付きだしています。

配線を動かしただけで鉄管の縁で被覆が破れてショートしそう。

 

先方の生産作業の止み間を待って何とか調査・改修。

送り線を確定して切離し、

(左側の切りっ放しの青色の電線が断線した?渡り線です)

バイパス配線を露出施工。

何とか復旧しました。

 

原因は器具渡り線の断線と思われますが断線箇所の特定はできず

断線の原因・状況は不明なままです。

ただ前述のねじ込みコネクタのように結線部分が劣化、

分解してる可能性は容易に想像できます。

 

特殊な製品を扱ってみえるので景気・不景気に左右されず安定した受注を

されている超優良企業なのですがそれゆえ年中無休で生産してメンテもままならず、

工場と機械が一体なので引越や建て替えがほぼ不可能。

 

壊れた所だけ修理しているので前述の1959年の照明器具や

教科書でしか見たことのない電気の部品が現役で頑張っています。

大きなトラブルの前に全面改修できることを祈ります。

 

御依頼ありがとうございました。

 

 



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