CKS(ナイフスイッチ)が破損した原因は・・・。

得意先からの依頼です。

 

「工場の一部に電気が来んくなっちゃった。

ブレーカーは全部入ってるみたいだけど、どうしたらいい?。」

「診させていただきます。」

 

確かに元のブレーカーは入っていて工場の半分は使えています。

そうなると幹線のどこかで断線?。

末端から順々に配線を追って検電器で電気がどこまで来ているか確認していきます。

・・・発見しました。

どうも中継盤のメインのCKSのところで電気が止まっているようです。

 

CKS」とは通称ナイフスイッチ

DSCN1291s3

レバーをガチャッと入れる古臭い開閉器です。

ブレーカのように自動で遮断されるのではなく電流が流れ過ぎると

ヒューズが溶けて電気を遮断する仕組みです。

 

ヒューズが溶断しているのかと思いまいしたが蓋を開けてみると

溶けてなくてヒューズの導通もあります。

???。

ふと焦げ目に気が付いてレバーと受刃の部分のカバーを外してみると・・・。

DSCN1293s

あちゃー。

刃が溶けています。

火災の一歩手前の非常に危険な状態です。

 

本来ならこうなる前にヒューズがとぶはずなんですが。

 

DSCN1292as

よく見るとヒューズが2重にはめてあります。

なんてこったい!。

 

あくまで推測ですが・・・。

片相だけ(この場合黒線)に負荷が偏っていた。

>片側のヒューズだけが頻繁に溶断して電気が止まってしまう

素人考えでヒューズを2重にしてやれば倍使えるじゃん!と重ねて取付

>ヒューズが溶けないので遠慮なく電気を使ってしまった

>本体の銅刃が溶けてしまった

ということではないでしょうか。

 

お客様に訊いてみましたが知らないと言われました。

しかし工場の誰かが取付したのは間違い無いです。

 

このCKSはもう駄目なので廃棄。

替りにノーフューズブレーカを取付して修理完了としました。

 

万全を期すなら負荷の偏りも直した方がいいのですが

元の設備容量がそこまで大きくないので改修には手間と費用と時間が

かかりますので保留となりました。

使いすぎたらブレーカでとばす想定でそのまま使われるそうです。

 

今時ヒューズを使っているなんて、と思いがちですが古い工場では

まだまだ残っています。

正しく使わないと火災が発生して大惨事になります。

フューズの重ね取付など以っての外です!。

危険ですので絶対にやめましょう!。

 

お読みいただきありがとうございました。

 



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