事務所のコンセントが使えない・レスキュー

得意先の工場から依頼です。

「事務所の床からはえてるコンセントが2ヶ所以上使えない、見てもらえる?」

「至急伺います。」

広い事務所のいくつか「島(机が数台よせてあるブース)」があるうちの島一つと

工場長の独立机とが使えないようです。

こちらは建築時からキチンとした設計と行き先表示がしてありますので

使えないOAタップを確認すると全てに盤名と回路名が書いてありました。

CIMG6042s

該当する電灯分電盤を確認すると・・・

見事に使えない回路のブレーカだけがトリップ(中立)しています。

CIMG6039sa

盤には主幹を含め漏電ブレーカがありません。

ということは大元の主幹盤かキュービクルでのブレーカで

漏電を検知する仕組みと推測します。(必ずどこかにあります)

漏電ではなく過負荷でブレーカがとんだ状態ですね。

一応絶縁測定してやはりOK。

ブレーカ一次側電圧も確認しレバー操作でプレーカー2次側電圧が入り切りできる

ことを確認します(ブレーカーの故障してないかの確認です)。

問題なかったので再投入。

使えなかったコンセントが全て使えることを確認して終了です。

 

原因と対策を突き止めるのがプロの仕事。

お客様に御時間いただいてとんだ時の状態を再現し電流測定してみます。

(業務が取り込み中の場合はここで引き上げることもありケースバイケースです)

20アンペアのブレーカに対して23アンペアが流れていたようです。

原因は女性事務員さんの小型足元ヒーター。

(ヒーター切ったら17アンペアになり許容範囲内です)

CIMG6043sa

 

ここで注意してほしいのはブレーカは規定の電流を超えてすぐ作動する訳ではないことです。

機器によっては電圧電流に変動があるので余裕がないとしょっちゅうとんでしまうことになります。

そのための余裕を持たせています。

具体的には30アンペア以下のブレーカの場合、特殊な仕様でない限り1.25倍で60分で作動、

2倍では2分で作動します。

 

逆にその間は規定以上の電流が流れてしまいますので長時間その状態が続くと

「電線が焼けて煙出たのにブレーカがとばないじゃないか!不良品売ったのか!?」

と言う話になりかねませんがそれが正常なんです。

 

ヒーターはしばらく前から使っていたそうですがとんだのは今日が

初めてだそうです。

今回の場合は20アンペアの1.25倍で25アンペアですから60分以内で

ギリギリもってたというところでしょうか。

(連絡あったのは特別冷えた寒い日の朝9時過ぎでした)

 

 

女性は事務仕事だと暖房入っていても足元が冷えるそうですが

電気の使用が1回路に集中しないようにお気を付けください。

 

電話連絡後1時間で対応できましたので

「原因がわかったので安心して仕事できる、ありがとう!」

言っていただけました。

 

御依頼いただきありがとうございました。

 

 



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